沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

2024年東京都知事選総括 ④改善されるように見えない蓮舫さんの聞く耳持たずが伸び悩みの主因

今回も都知事選総括として、蓮舫さんの敗因について考察します。

前回記事で挙げた三つの理由のうち、今回は

共産党と連携した(共産党と聞くだけでアレルギー反応を示す層が一定数いることは間違いなく、そのマイナスを凌駕できる程のメリットがなかった)

から考察していきます。

とはいえこれはそんなに考察するまでもなくて、共産党に対して過去の歴史上の経緯を踏まえて忌避する層が一定数存在するのだと思います。最近は表向きにはソフトな戦略をとっていますので、若年層の有権者には比較的アレルギーを持つ人は少ないかもしれませんが、一定年齢以上になるとそれなりにアレルギーを持つ人がいます。

立憲民主党の岩盤支持層は比較的高齢者が多いことから、岩盤支持層の中にいた共産党アレルギーを持つ人を締め出す結果となり、上積み期待はおろか、岩盤支持層の票割れを起こす結果となってしまったというのが実際のところではないでしょうか?

共産党としては票を集められる独自候補の擁立に難航するなか、立憲から選挙協力の打診があってラッキーといったところでしょう。前回都知事選で擁立した宇都宮さんの得票数と比較すれば大躍進ということでメンツを保つことができ、蓮舫さんの顔を売るため、選挙応援といいながら、党の寄付金集めの広告塔のようにフル活用することに成功しました。野党勢力で今回の選挙において一番成功したのは共産党といっても過言でないと思います。逆に言うと蓮舫陣営(立憲民主党)は共産党にうまく使われてしまった形となったように思います。

 

続いて、最後にして最大の原因である

蓮舫さん自身が良くも悪くも「変わっていない」ため、有権者のニーズから離れた人物になってしまった(今風に言えばオワコン化)にも関わらず、当人や周りがそれに気づけなかった(あるいは気づいていても指摘できない)

について考察します。

蓮舫さんの代名詞と言えば「二位じゃダメなんですか?」世界最先端のスパコンを開発するための予算について、事業仕分けを行った際の名言です。二位でも良いのか、ダメなのかは私には判断できませんが、政治に不満を持つ人たちはその言葉を聞いて快哉をあげました。俗っぽくいえば、「国にギャフンと言わせてくれてスカッとした」ということです。

恐らく蓮舫さんの中には、この時の成功体験が強烈に残っているんだろうと思います。この言葉が発せられたのは2009年11月。この事業仕分けの直前である8月に行われた衆院選自民党が大敗して政権与党の立場から下野し、民主党が与党となるという近現代史に残る大きな出来事があった直後です。

当時は自民党への不満はもちろん、9時17時で帰れるのに安定して高給を得られる公務員(実際はそんなことない)や既存勢力への不満のようなものが最大限に高まっていました。その結果、既存勢力のシンボルのような存在としての自民党が野党転落することになり、彼らが編成準備していた予算案を見直すという目的のもとに事業仕分けが行われました。

旧勢力が残した旧態依然とした予算を新勢力の代表である蓮舫さんが斬って捨てるという見え方は、多くの国民にとって爽快なものとして受け入れられました。

ところが事業仕分けにおいて、表面上は「二位じゃダメなんですか?」のような勇ましい声が聞かれたものの、最終的にふたを開けてみると国民が期待するほどの予算圧縮効果をあげることは出来ませんでした。重箱の隅をつつくような形でなんとか数字を積み上げたような印象となり、最初の勢いはどこへやら...尻つぼみとなっていきました。

その後東日本大震災時の対応のゴタゴタや、過度な公務員叩きに対する世間のイメージの是正、民主党政権への評価等が行われ、2012年12月に再び政権交代となったのです。

 

旧勢力からの攻撃をはね除け、国民のために取り組む新勢力という仮面は剥がれています。今回の落選後に寄せられた意見に対して、蓮舫さんが必要以上に過敏に反応している様子を取り上げた記事等も散見されます。

サイレントマジョリティは選挙後の一連の蓮舫さんの対応も見ています。蓮舫さんに対する誹謗・中傷についていちいち蓮舫さんが反応せずとも、サイレントマジョリティの側で誹謗・中傷的な意見は無視しています。

反省すべき点は反省し、再登板を求められた際には自分が、あるいは旧民主党勢力は何ができるのか示してくれないと選択することが出来ません。無党派層は政治への関心が低いというような捉え方をされることもありますが、特定の政党を支持しているわけではないからこそ、是々非々で物事を捉えて判断することができるという面もあります。そうした無党派層をしっかりと取り込むための活動ができていたか、自身の言動も振り返っていただきたい。そういう姿勢を見せることは地味でもあり、「自分らしさ」を失ってまで有権者に媚びる必要はないと思うかもしれません。ですが、有権者に媚びることと有権者に求められる存在に変わっていくことは決してイコールではありません。

そうした地道な活動が次に繋がっていくんだと、それができなければ本当に過去の人になってしまうということを、今回の選挙結果から感じていて欲しいなと思っています。