沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

本当に何でもできるの?Kintoneの正体に迫る!

前回の記事でKintoneの代名詞を「①Excelのような関数計算機能のついた、②社内外の人とデータを共有してもデータ破損等の可能性が低い、③データベースツール」と紹介しました。

今回はそれぞれの意味について説明していきます。

まず「①Excelのような関数計算機能のついた」についてです。

Kintoneでは一行文字列・複数文字列・値など、そこに入力する内容に応じて枠(Kintoneではフィールドという)をドラッグ・アンド・ドロップして入力様式(Kintoneではフォームという)を作っていきます。

いくつかの枠では事前に関数を入れておくことができて、例えば顧客別の営業活動管理アプリだったら、「第一回訪問営業日」の枠が空欄だったら「アプローチ状況」の枠に「未訪問」というフレーズを、日付が入っていたら「訪問営業済」というフレーズを自動で表示させるみたいなことが可能です。

Excelのif関数みたいなことをKintoneで実現しているわけです。

初めてこの機能を知ったときの私は「じゃあもうExcel要らなくない?」と思ったのですが、もちろんそんなことはなくて、複雑な計算への対応や使用できる関数のバリエーション、ネットで「こんなことやりたい」と探したときに出てくる確率はExcelの方が優位性が高いというところです。

続いて「②社内外の人とデータを共有してもデータ破損等の可能性が低い」についてです。

Excel等ではちょっと操作を間違えたり、なにか別の作業をしていた拍子にデータの一部を削除してしまうなんてこともあります。見た目同じに復旧できたから誰にも言わずに保存したけど、削除したところは実は関数で計算している所で、そこが数式としてうまく認識できないとその後の結果がエラーになって、エラーに気づいた別の担当者はイチからデータが壊れている場所を探さないといけない...なんてことも、あるかもしれません。また、別の人が編集していると読み取り専用になっちゃって同時に複数で編集できない、共有にしていても複数人が同時にごりごり更新すると不安...。

Kintoneであれば、何かの拍子にデータを消してしまうことはありませんし、同時に複数で同じアプリを開いて編集作業を行うことも可能です。③で挙げたデータベースツールという強みが遺憾なく発揮される部分だと思います。

この流れで「③データベースツール」について。

個人的にはここがKintoneで一番大切なところだと思っています。データベースツールなので基本的には「データを格納しておくところ」です。

いまExcelで管理しているデータについて「これKintoneで出来るんじゃない?」と言われることがよくあります。Excelにデータを入力してデータベース化しているなら、基本的にはKintoneにすることは可能です。問題なのは「Kintoneにして何するの?Kintone化する意味ある?」というところです。実はExcelに入れたデータをKintoneでは実現できないような高度な分析をしてグラフ化しているなら、Kintone化するとかえって面倒なことになります(①で述べたように、データの計算や加工分析はあくまで付属的な位置付けであり、高度だったり幅広いニーズになるとKintoneでは応えきれない可能性があります)。

「うちはそんな高度なことしてないからKintoneにして大丈夫」と思うかもしれません。では、そのExcelデータを一覧表として出力して、打ち合わせ資料にしているなんてことはありませんか?データを比較的生データに近い形でそのまま出力して見るにはExcelの方が優れている...優れているというか直感的に作業ができる場合が多いです。文字数にあわせて列の幅を広げたり、注目すべき箇所だけセルを塗りつぶして強調したりといったことがExcelなら比較的簡単に可能です。

Kintoneだと列幅の変更は設定画面に遷移してピクセルを指定する形じゃないと変更できず、文字数を見ながら見切れないように設定することができません(厳密にはできるのかもしれないけど、直感的に出来るという意味ではExcelに軍配が上がります)。

セルを強調するにも「重要」とかいうフォームを作ってチェックボックスを付ける?とかが比較的手軽にできて簡単に思い付く方法ですが、一覧表として見たときに重要のフォームにフラグが立っているものを視認するのは、Excelで強調したいセルを塗りつぶしているのと比べると視認しにくいと思います。

 

ここまでKintoneとExcelを比較しながら、違いを見てきました。次回はKintone化する意義のあるパターンはどのような場合なのか考察してみたいと思います。