沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

一夫多妻制発言に見る石丸さんの「薄っぺらさ」とそれを延々取り上げる人々の中にある「羨望」

7月14日に放送された「そこまで言って委員会NP」での石丸さんの少子化対策についての考え方を述べる場面で飛び出した「一夫多妻制」発言が、もうすぐ8月になろうとしている今になってもネットニュースに何度も取り上げられています。

そもそも一夫多妻制は日本において正式な制度として実現するのは不可能(現代において正式に採用されているのはアフリカやイスラム圏が多く、少数の圧倒的な富裕層男性(もしくは宗教的に強い権限を持つ男性)が複数の女性と婚姻関係を結ぶのが一般的な形であり、日本においては圧倒的な貧富の差(かたやプールつきの豪邸、かたやあばら家以下位の差)が男性間に生じていないし、イスラム教のように国家全体を覆うような宗教も存在しないため)です。

法律の範囲外で例外的に一夫多妻を実行している例もあるようですが、日常の様々な場面で不都合が予想されるので実際に一夫多妻に踏み切る人はほぼいません。

更に男女平等的な考え方が広まった現代において多様な結婚観を広く認めるという意味から「多夫多妻」ならまだ...とも思いますが一夫多妻ってどうして男性だけが多くの女性と結婚出来るようにする必要があるのでしょう?

一夫多妻制にすれば出生率が向上するというような研究もありません(もし知っている方がいたら教えてください。)し、どこからどうみても「一夫多妻」発言は実現可能性もない、実現する意味もないとんちんかんな言及です。

落選後にあれだけマスメディアからの質問にたいして「愚問」とか「無意味」という雰囲気プンプンに出して対応した人が、いざ本人の本分である政治に関する内容で、政治家としてどう対応するか?と問われたときに言った内容が「一夫多妻」...財源の検討もなくばらまき公約を吹聴するのと同じくらいの次元と感じてしまいます。

 

普通だったら一笑に付して相手にもされないような内容がここまで取り上げられるのは、彼の学歴とキャリア(数年とはいえ大手金融機関に勤め、地方都市とはいえ首長経験がある)と清新さによるものだと思います。学歴ってやっぱり大事なんだなと思いつつ、実質何も言っていないに等しい内容で都知事選の選挙期間におけるネット献金で約3億円を集め、選挙費用に1億円使ったと言っているので、2億円が手元に残ったことになります。

2億円を稼ぎ出したことに「凄いな」と思いつつ、意味あることは何も言ってなさそうな感じなのに2億円も手に入れて「ズルい」という感覚、やっかみ半分、羨ましさ半分みたいな気持ちがあるような気がしています(ちなみに、私はあります(笑))。

もうそろそろ石丸さんの人となりも分かってきたので、メディアで取り上げられることも無くなっていくんだろうなと思っています。