前回の記事でKintone化検討にあたってのポイントを記載しました。
今回はKintone化すべきパターンはどのような場合なのか考察してみたいと思います。
いくつかの職場の方から、どんな業務をしているのか具体に聞かせてもらう機会があるのですが、「このデータを別の場所に転記しているんです」というフレーズが出たらKintone化検討の合図と考えています。
この場合、転記作業を行っている人自身は転記作業に不満を感じなくなっていることも多いので、ヒアリングした側が気づいてアプローチすることが大切です(きっと転記作業している人も最初は「なんでこんなことしてるんだろう?」と思ってたはずなんですが、慣れって怖いですね)。
この転記作業もレベル感がいくつかあって、例えばCSV形式で出力したものをそのまま別の場所に貼り付けるだけでOKとかであれば、そこまで問題ではない場合もあるのですが、CSV形式で出力したものをExcelで一旦加工して、新たに列を挿入して別のところから持ってきたデータも貼り付けて...みたいなことをやっているのは改善の余地ありだと思います。
データをKintoneで入力してもらって、そこで分析できるレベルの分析であればKintone上でダッシュボード化して完結できると作業負担の軽減に繋がります。
ただ、ここでも気を付けないといけないのが「結構色々なことがExcelでもできる」ということです。Excelの関数を使えばデータの転記(参照)はそんなに難しくなく出来るので、CSV形式で出力したデータをExcelに貼り付けて、別のシートで必要な情報だけを検索してピックアップすることは可能です。Kintoneが真価を発揮するのは「そのデータを入力する人が自分が所属している組織外の人」の場合です。
組織内の人であれば任意のソフトやアプリにデータを入力してもらえば良いのですが、組織外の人になると「このExcelのデータベースに情報を入力してください」と言うわけにはいきません。そうなると回答専用のフォーマットみたいなものを作り、そこからCSV出力して、Excelで管理しているデータベースに転記するみたいなことが発生します。
こういう事務についてはKintone化すると入力したデータがそのままKintone上でデータベースとして格納されていくので作業負担は大きく軽減されます。
ここまでつらつら書いてきましたが、何となくKintone化した方がいい業務が見えてきました。
「現状Excelなどで管理していて、運用上不満等があるもの」で、「一度入力したデータを別の場所に転記している」ような性質のもので、「データを入力する人が主に自分の所属する組織外の人」の場合、Kintone化するとメリットがありそうです。
パッと思い付くところではお客さんからの申し込みとか申請、仕入れ業者や下請け企業など複数の社外関係者に回答を求めて取りまとめている報告書の類い辺りでしょうか?
ここまでの考察が「Kintoneって便利なのかな?」「Kintone化した方が良いんだろうか?」等、考えるときの参考になったら幸いです。