沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

自民党総裁選の序盤動向を読む(1)「小小連合」を目論む長老達のシナリオ

前回の記事で、お盆明けに活発化するとしていた自民党総裁選。小林さんと小泉さんが立候補表明し、他の候補者もそれぞれ推薦人集めに奔走しています。

 

個人的には小泉さんは立候補しないと思っていたのですが、立候補を目指すと宣言しましたね。総裁選の過程で小泉さんが「小林さんを支持する」と宣言し、「小小連合」で小林総裁、小泉幹事長みたいな体制での総選挙を狙うと思っていたのですが、小泉さんを裏で操り、次のキングメーカーを狙う菅さんは、より激しい形での決着を狙っているようです。

菅さんとしては早い段階で小泉さんに立候補表明させることで、「小泉という柱のもとに集まれ」と明確化して無派閥者の結束を促し、各陣営から推薦人依頼などで切り崩されることを防ぐ狙いがあるのではないかと思います。

 

麻生さんに振られた茂木さん、党内の支持基盤が弱い野田さん、齋藤さんは立候補できない可能性が高まってきました。齋藤さんは小泉さんと何度か会食を重ねているようなので、今後自ら立候補はしないことと、小泉さんの応援にまわると表明するかもしれません(小泉さんの戦況が順調であれば、総裁選立候補期限最終盤に最後の一押しとしてインパクトが出る形で、戦況が望ましくなければ、党内にリードを印象づけるために早い段階で表明と予想しています)。

 

麻生さんは茂木さんを振りつつ、現キングメーカーとして勝ち馬探しに躍起です。河野さんからは支援要請されているでしょうが、前の記事でも示した通り河野さんの支持は党内・党員、国民とも弱いと判断せざるを得ません。それにもし選挙は上手くいって河野総裁誕生となっても、これまでの言動からして素直に全て麻生さんの言うことを聞くとは思えません。そうなると、麻生さんとしては河野さんに賭けて危険な選挙を戦い、もし上手くいっても思う通りに操れない可能性がある総裁とするより、乱戦模様の状況をギリギリまで見極めて結論を先延ばしにし、僅差で情勢2位と目される候補を最終盤で派閥の力を使って支援するのが上策となります。

麻生さんが描く最高のシナリオは、菅さんに支援された小泉さんが情勢1位となり、小林さんが追う展開になった最終盤で小林さんを支援するというものです。

逆に麻生派がもし早く動く展開となれば、表面的には波風がたっていても総裁選の決着は既についている状況になったと考えて良さそうです。

 

引き続き次回以降も自民党総裁選と、それに埋没する立憲民主党の代表選について考えていきたいと思います。