沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

自民党総裁選の序盤動向を読む(5)河野さん立候補 初動の早さで票をまとめきれるか

河野さんが自民党総裁選に立候補しました。正式な立候補表明は小林さん、石破さんに続いて三人目となります。

小林さんは一番に立候補表明することで、この土日の報道系テレビ番組をジャックすることに成功し、課題とされる知名度向上に成功しました。また、様々な質問に対してもそつなく受け答えし「安定感」を示すことにも成功しています。注目を浴びるようになったからこそ、事務所経費の不記載問題なども報じられてしまいましたが、金額が小さいことと、普段自分が使っている事務所を選挙事務所として登録する、自分で自分に貸す手続きの中での不記載ということで悪質性が高いとは受け止められていなさそうということで、総じて初動の早さでプラスの効果を得ていると思われます。

 

河野さんは知名度も実績も十分ですから、初動を早めてメディアジャックするなどのインパクトを求める必要はありません。今後候補者が出揃った段階で堂々と自身の政策や国家感をアピールして評価を受けるということになりそうです。であれば個人的には立候補のタイミングはもう少し後でも良かったのではないか?と思ってしまいます。

立候補が他候補より先行しすぎると、政策を深堀りされたり、スキャンダルを狙われたりする期間が長くなってしまうからです。また、立候補の瞬間は比較的期待感や熱量が高い状態となりますから、終盤で立候補し勢いそのままに総裁選に突入するという手法も考えられました。立候補が早すぎてインパクトを残せない期間が長くなると、推薦人や世論の下支えも間延びしてしまいます。また、実績があり立候補を待望される人物であれば、あえて立候補表明を遅らせることで「焦らす」こともできます。周囲から待望論があがり、日に日にその声が大きくなりついに終盤に決意を固める形で立候補すれば熱気は最高潮です。河野さんが早めの立候補に踏み切った背景には、党内情勢がそういう状況にはならない。むしろ早い段階から立候補して熱心に各地を回り、自身の言動で支持を集める方が当選の可能性が高いと判断したからなのだと思います。

 

初動の早さを活かし、各地を回って自身への支持を固められるか。その進捗次第でキングメーカーであり、所属する派のボスである麻生さんからの支援の形も多少違ってくるのでは?と思います。

河野さんの状況をとらえるには、麻生派の動きに注目するのが良さそうです。