沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

自民党総裁選 決戦当日の朝の動きから考える 岸田さんがキングメーカーとなる!?

いよいよ自民党総裁選当日を迎えました。ここに来て麻生さんが高市さんを一回目投票から支持するという報道が産経新聞の独自記事として出ました。

 

【<独自>自民・麻生副総裁が高市氏支持へ、麻生派議員にも指示 1回目から URLはこちら↓】

https://news.yahoo.co.jp/articles/385a69f027f45a2b77afa8d7d1186ce7c2c9e95f

 

一回目からって言うのがすごいですね。本当は、麻生さんとしては一回目は河野さんを支持して、決選投票には残れないものの河野さんも一定の得票を得て善戦したという形にしたかったと思います。性格的にも何だかんだ親分肌ですし、元々麻生派は河野さんの父である洋平さんが作ったものを麻生さんが預かり育てたようなものですから、将来的には河野さんに返すというような思いもあったかもしれません。今回の結果次第では河野さんは党内でしばらくは再起不能となる可能性もあり、派閥領袖として影響力を保持するのは難しくなるかもしれない、それを避けるためには一回目投票で河野さんを支持して河野さんのメンツを守ってやらねばならない。

でもそんなことを言っている余裕もないくらい接戦・緊迫した情勢なんだろうと思います。

 

以前このブログで「麻生さんの動きが鮮明になったときが、勝敗が決したとき」と書きました。

【8月20日公開記事 自民党総裁選の序盤動向を読む(1)「小小連合」を目論む長老達のシナリオ はこちら↓】

https://sioto310.hateblo.jp/entry/2024/08/20/184359

まさか当日の朝までわからないとは思っていませんでした。しかも産経新聞の独自記事(当然麻生派が書かせていると見て良いと思います)なので、直前まで麻生派としての動きを決めかねるくらいの接戦になっていると思われます。

ここまで接戦になった要因は、主に4つあると見ています。

①あまりにも早い段階で小泉さんのメッキが剥がれ、一旦石破さんから小泉さんに流れた党員票が再度石破さんに戻ったということ(高市さんの右のスタンスは国を守る意味で好感を生む反面、右傾化が過ぎると見られると忌避される可能性もあり、その辺りの党員票を石破さんがバランスよく受け入れる形となった面もあると思います)

②石破さんが突如会見で「岸田路線の継承」を謳い、岸田さんもそれに同調して旧岸田派の議員票を一回目から石破さんにまとめようとしていることで、当初劣勢だった議員票でも石破さんが上積みする可能性があること

③小泉陣営(菅さん)が、高市さんと石破さんを天秤にかけて石破さんの方が御しやすいと見て、支持基盤の弱い(旧安倍派)高市陣営から支持を剥がしに来ていること

④もう少し議員から支持を集めると思っていた小林さんが思いの外伸びなかったこと(選対に入った福田さんのスタンドプレーが原因という報道もあります)

麻生さんにとっては全て向かい風となってしまうため、勝利を確実にするために一回目からハッキリ高市支持に回らなければならなくなりました(ステルスに徹して、石破小泉で決選投票となっては麻生さんの打ち手がなくなる)。

 

ここで重要になってくるのが岸田さんの動きと、実は上川さんの動きとなります。

岸田さんは、石破さんへの投票で岸田派内を纏めきって石破総理誕生を実現すれば、晴れてキングメーカーとなります。しかも麻生さんの下につく形ではなく、独立したキングメーカーなので最高の形です。逆にまとめきれない場合は諦めて岸田派として高市さんを支持する可能性もあります。こうなれば岸田さんも一応キングメーカーとなりますが、麻生さんの下につく第二のキングメーカーといった形となるでしょう。

岸田さんのこの命運を分けるのが上川さんの動きです。上川さん自身は麻生派二階派から推薦人を借りて立候補しています。麻生派の推薦人は高市支持に回るなか、上川さんと上川さん自身が集めた推薦人議員達が麻生派の支援する高市さんにつくか、旧岸田派の支援する石破さんにつくかが勝負の分かれ目となる可能性があります。まずは岸田さんがどれだけ上川さんをコントロールできるか、麻生さんの「あのおばさんは仕事ができる」と持ち上げたコメントを上川さんがどこまで受け取っているか、初の女性総理という快挙を、上川さんが支援することで高市さんに取られてしまうことについて上川さん自身がどう考えるか、組閣において上川さんがより優遇されるのはどちらの陣営を支持したときか...

岸田さんと上川さんの動きに注目です。

 

関東は午後から雨風が強くなる予報です。自民党総裁選も今日の空模様同様の波乱となるのか、注目です。