沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

石破総理誕生へ キングメーカーになった岸田さん

自民党総裁選は石破さんが高市さんとの決選投票を制して勝利しました。

 

1回目投票、及び決選投票の結果は次の通りです。

【1回目投票(合計/議員票/党員票)】

高市さん(181/72/109)

石破さん(154/46/108)

小泉さん(136/75/61)

林さん(65/38/27)

小林さん(60/41/19)

茂木さん(47/34/13)

上川さん(40/23/17)

河野さん(30/22/8)

加藤さん(22/16/6)

【決選投票(合計/議員票/地方票)】

石破さん(215/189/26)

高市さん(194/173/21)

 

ここでは特に議員票の動きを見ながら考えたいと思います。一回目投票一位の高市さんは議員票が72票、二位の石破さんが46票です。そこに一回目投票の他の議員の得票数を足してそれぞれの数字に近しい形にするとこうなります。

高市さん】

高市+小林+茂木+河野=72+41+34+22=169

【石破さん】

石破+小泉+林+上川+加藤=46+75+38+23+16=198

無効票があったりするので多少ずれますが、概ねこんな投票動向と見て良さそうです。

 

投票当日の朝にアップした記事で、岸田さんと上川さんの動きが重要になると指摘しましたが、まさにその通りとなりました。

 

自民党総裁選 決戦当日の朝の動きから考える 岸田さんがキングメーカーとなる!? 記事はこちら↓】

https://sioto310.hateblo.jp/entry/2024/09/27/080343

 

麻生派二階派から議員を借りて立候補にこぎ着けた上川さん。借りた議員の票は決選投票では上川さんに流れたとして、上川さん自身が集めた仲間達の投票行動によって結末が変わるとしていました。

総裁選後、上川さんは「決選投票では石破さんに投票しました」と明言しており、上川さん周辺の票は石破さんに固まって流れたと見て良さそうです(逆に明言したことが報道される位ですから、事前のワイドショーなどではあまり触れられていませんでしたが、私と同様上川さんの動向が結果を左右すると読んでいた関係者が一定いたのではないかと想像させます。ワイドショーを鵜呑みにするだけでは見えない動きが有るのではないか?と感じます。自分自身のリテラシーを高めていくことも大切ですね)。

これにより石破総裁は、①石破さんの元々の支持勢力、②小泉さんを旗印に戦った菅さん率いる無所属グループ、③身内から候補者を複数(林さん、上川さん)出しながらも、最後にまとめきった旧岸田派

によって支えられる形となりました。

事実、旧岸田派の林さんは官房長官で続投となっています。外相の上川さんも選挙が終わるまでは続投させたい所ですが、そうなると代わり映えしないので、ここは石破さんの側近である岩屋さんに交代となる予定です。アジア版NATOとか、石破さんの思いもある分野なので変えないわけにはいかないというところでしょうか。

上川さんにはかわりのポストが回って来るかなと思っていたのですが、どうやら一回お休みとなりそうです。外相という重いポストまでやっちゃうと、一般的な大臣ポストでも比較すると軽くなってしまい降格感が出てしまうので、それなら一度無役としたほうが良いという判断かなと思います。来る総選挙後の本格始動時には、何らかの役割が与えられていくのかもしれません。また、もう一人の功労者(と私が勝手に思っている)である斎藤健さんも今回はお休みとなりそうです。こちらも総裁選中に小泉支持を明言しているので、あんまり大っぴらに論功行賞出来ないというところが背景にあると思います。こちらも総選挙後の本格始動時の登板待機組として控える形かなと思います。

堅実な滑り出しを見せる石破丸ですが、ひとつ懸念するとすればこのあとの副大臣政務官人事です。党の中堅・若手には小林陣営に所属する人も多く、そちらからも一本釣りしていかざるを得ないかなと思いますが、党内バランスを見謝ると禍根を残しそうです。挙党体制を演出するなかで茂木さん、河野さんといった人達との距離感をどうとるかといった問題とあわせて、引き続き慎重な船出が求められています。