沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

一般市民の思いが政策に反映されない理由~選挙に行くことの大切さ~

サイレントマジョリティとノイジーマイノリティという言葉があります。

投票に行くことの大切さについて簡単な算数で考えてみたいと思います。

 

【前提条件】

立候補者①は有権者100人の村に住んでいます。構成員うち、10%に当たる10人(ノイジーマイノリティとします)は議会に興味を持ち、特定の政治的な要求(ここでは要求Aとします)を達成するために活動しており、選挙には100%参加して投票します。残りの90%に当たる90人(サイレントマジョリティとします)は特段議会に興味関心はなく、そのうちの10%に当たる9人は要求Aについて賛成です。

この村で選挙があり、立候補者①が当選確率を高めるためにはどのような政策を推進すると訴求していけば良いでしょう?ただし、この村の投票率は30%とします。

 

この村において政策Aを支持する人が19人いるので、政策Aの支持率は19%です。残りの81%(過半数の考え方でいけば圧倒的ですね)が、政策Aについて賛成ではない状況です。それでも立候補者①の戦略としては政策Aについて推進することを公約に選挙活動する方が当選可能性が高いということになります。なぜなら、政策Aについて推進することを表明することにより、ノイジーマイノリティの10人の票を確実に獲得することができるからです。

次にサイレントマジョリティについて、100人の村の投票率は30%なので30人が実際に投票します。そのうち10人はノイジーマイノリティ(前提条件で)なので、サイレントマジョリティで投票するのは20人です。20人のうち10%に当たる2人は政策Aについて賛成なので、2人の票を獲得することができます。つまり、支持率19%の政策Aを推進すると訴求することで、有効投票数30票のうち12票を獲得することができます。

ここで政策Aには反対で、支持率50%の政策Bを推進する候補者②を登場させます。先程と同様の選挙で考えると、ノイジーマイノリティの10票は候補者①に投票するので獲得できません。残りの20人のうち50%に当たる10票を獲得します。

候補者①が12票、候補者②が10票で候補者①が当選することになります。こうして、全体で見ると支持率が低い政策を推進する候補者が当選することになるのです。

 

これを防ぐためには「投票率を上げる」しかありません。先程の例で仮に投票率が倍の60%だった場合、候補者①は15票、候補者②は25票獲得することになり、候補者②が当選することになるのです。

より正確に民意を反映するために、どんなに政治に不満があっても投票に行くことが大切ですね。