沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

激減した電車の中吊り広告から考える

突然ですが私は首都圏で、私鉄とJRを乗り継いで通勤するサラリーマンです。

先日何気なく車内を見回していると...なんかこざっぱりしているというか、物足りない感覚を覚えました。この感覚なんなんだろうなとしばらく考えていたら...気づきました。中吊り広告がない!

 

私鉄系では、私鉄系列の不動産会社が開発したマンション販売の中吊りや系列百貨店の中吊り、私鉄が実施しているポイント事業、運賃改定のお知らせ...いくつかある中吊りも結局その私鉄からのお知らせでしかありません。

JRはさすがにもう少し中吊り広告もありますが、それでも沿線のマンション販売、ノンアルコールビール、意識高い系の本紹介、英会話スクール、チャットアプリ位です。新潮とか文春も中吊り広告やめたし、最近では中吊りでいつもファイナルセールを謳っていた脱毛サロン?も本当に破産しちゃったみたいで広告出せないし...コロナが落ち着いて乗降客数は回復基調と言われますが、それでも中吊り広告が昔のように賑わうことは無さそうです。

テレビCM等のマス向け広告への出稿料金総額より、インターネットやSNSで興味関心がある個人へ直接広告を表示するターゲティング広告への出稿料金総額が上回ったというニュースも見たような気がするし、時代はターゲティング広告にシフトしているようですね。

中吊り広告よりターゲティング広告の方が、広告を見ていた時間(サイト滞在時間)が測定できるとか、そのままオンライン購入等に誘導できるとか、効果測定しやすいというのも有るでしょう。そう思うとコロナ禍をきっかけに中吊り広告からターゲティング広告に変えた企業があったとしても、中吊り広告の方がターゲティング広告より効果的だと客観的に証明して中吊り広告に戻すっていうのは相当難しいだろうな。

誰がターゲットかわからないけどとにかく不特定多数の目に触れる必要があるとか、誰もがターゲットでターゲティングが難しい商品・サービスなんかは中吊りするメリットがまだあるんだろうか...うーんなかなか思い付かないですね。広告手法が以前より多様化して、中吊り広告を第一優先の広告媒体とする商品・サービスが少なくなったというのが、中吊り広告激減の理由かもしれません。