沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

給食費無償の条件がマイナカード取得 岡山県備前市の選択を受けて考える

岡山県備前市はこれまで無償としてきた保育園などの保育料や小・中学校の給食費などについて、来年度から無償化条件として「世帯全員のマイナンバーカード取得」とする条例案を提案することになりました。

記事はこちら

https://news.yahoo.co.jp/articles/2651ff8311d2c0edaa3ba9c60d42b96ee271a176

備前市の決定については賛否両論あるようです。ここではこの決定の是非についての検討は置いておくとして、このような決定なり判断なりを一地方自治体がしないといけないのか?ということを考えたいと思います。

 

マイナンバーカードについて、国は結局のところどうしたいんでしょう?国民に持たせたい(単純な所持というだけでなくて、日常の場面で活用していく意味も含めて持たせたいと表現します)のか持たせたくないのか、持たせたいなら強制的にでも持たせる覚悟があるのか無いのか、強制的に持たせる覚悟が無いなら無いで、カードを持っている人と持っていない人が混在することによってかかる重複コスト(ここでは制度的負担、その制度を維持運用するための人的負担、費用的負担など様々なものを包括して重複コストと表現します)を負担する覚悟があるのか無いのか...

私の感覚では、マイナンバーカードを国民に持たせたいけど、強制的に持たせる覚悟はない、とはいえ重複コストを受容する覚悟は決めきれていない...こんなところかなと思っています。だから紙の保険証を廃止する代わりに発行する予定の「資格確認書」を有料化するという観測気球的な記事が出て、反対意見が噴出するとやっぱり無償化するといって打ち消しにかかる...繰り返される朝令暮改的な政治は、国民の信頼感低下に直結します。そうなるとそもそも国が進めようとすることはとにかく反対という考えに帰結する人が増えて、ますます政治を進めるのが難しくなっていく...

 

政治家の覚悟、胆力が試されているのではないでしょうか?その覚悟、胆力がないなら、新しいことをやろうとするな、と思います。

マイナンバーカードについては、一地方自治体ではなく、国としてどうしたいか考え、決めていくことだと思います。