人口減少や少子化が進む横須賀市は、新婚さんの家賃や引っ越し費用を最大60万円まで補助する予算を編成しました。
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https://news.yahoo.co.jp/articles/d3799a7c02dbc421a255c53d1e8bbca112b1ee16
記事によると国と県の交付金を利用することで、市の負担は3分の1から6分の1になっているそうです。
補助を受けるためにはいくつか条件があるようですが、最も疑問に思うのが世帯の合計所得が500万円未満であること。国や県の交付金を受けるための条件だったんだろうと推察しますが、その金額の世帯が引っ越してきても、直接的な税収への影響はわずかです。しかもふるさと納税で他市に納税されればさらに市に入る税収は少なくなります。
直接的な税収よりも、地域経済における消費者を増やすことや、過疎が進む地域の自治的なコミュニティへの参画など、まちづくりの担い手としての活動に貢献してくれることを期待してのことと思いますが、そもそも所得はそこまで高い訳ではないので地域経済での消費者としての存在感も大きくはないし、若年層では日常の買い物も地域ではなくオンラインで行う割合が増えてきています。まちづくりの担い手についても、将来にわたってその場所にすみ続けると決めていない段階ではまちづくりのコミュニティ参画への意欲も限定的ではないでしょうか。
少し俯瞰してみると、中長期的に考えれば過疎地向けに維持整備する上下水道や道路などのコストは、過疎化による利用者や利用率の減少が進むことで、得られる効果の小さい投資となっていきます。過疎地に人を呼び込むよりも、過疎地に住む人を対象にして、中心市街地に集まって住む決断をした人に住み替えの費用を補助する。そのための交付金を国や県は支出するほうが有効な財源の使い方なような気がします。