沈思黙考

日常の疑問から巡る思い

マイナンバーカードを全員が持つようにするためには

先日、マイナンバーカードに関する記事を書きました。今回はマイナンバーカードを全員が持つようにするための方策を考えてみます。

 

まず、出生届と同時に顔写真なしのマイナンバーカードを交付します。こうすれば、時間はかかりますが一定期間が経過すればマイナンバーカード所持率を100%に近いところまで引き上げることが可能だと思います。

また、出生届時に登録したメールアドレス宛に子供の予防接種の勧奨通知をプッシュ型で通知すれば、接種忘れも防げるのではないでしょうか。医療機関ではマイナンバーカードに搭載した保険証機能で情報取得し、予防接種の接種状況などもマイナポータル上で管理します。

外国人や国外で出生して日本に初めて戻ってきた子供については、転入届時に顔写真なしのマイナンバーカードを交付します。カードの有効期限は3年程度と短めにしておいて、更新時には顔写真付きのカードしか作れないようにすれば、転入届時に顔写真も用意しなければならないといった手間は発生しません。

 

ここまで何となく実現可能そうな方策を考えてきましたが、次は現状想定できる問題点をあげていきます。

医療機関マイナンバーカード保険証にほぼ100%対応できる環境でないと不便になります。いまだに医療機関の中にはマイナンバーカードを出すと普通の保険証は持ってないか?と聞いてくるところがあります。医療機関側が100%マイナンバーカード対応できる状態でないと、マイナンバーカードを持つメリットが低下してしまいそうです。

次に、妊娠判明時点で渡す紙の母子手帳との役割分担が不明確(両方に接種状況を記録するのは二度手間だが、マイナポータルだけだと接種状況を確認するのにいちいちマイナポータルにアクセスしないといけない、母子手帳だけだと、マイナポータルで一元的に接種状況を管理できない)になることです。これは妊娠判明時点で出生予定の子のマイナポータルを作ればいいですが、死産などがあった場合にそのポータルをどうするのか等、整理が必要な点がありそうです。

続いて制度運用のためのコストの観点から。大量のICチップ付カードの用意が必要になることが予想されます。短期滞在の外国人やバカンスなどを利用して短期で帰国する日本人にも都度カードを発行するのか?自治体で即時発行できるカードではないので、発行準備をしている間に出国されたらそのカードは無駄になるのではないか?申請してからカードが届くまでの間に使える医療証のようなものを紙で渡しておくか?このあたりの制度設計も検討が必要です。

 

ここまで考えてきた結論として「マイナンバーカードを全員が持つ必要があるか?」という思いが強くなりました。

マイナンバーで国民一人一人を管理することは、行政が必要に応じて勝手にやったらいいと思っています。でも一人一人にマイナンバーカードを持たせて、それに保険証やら今後は運転免許証も統合しようとしているようですが、そんな必要あるのでしょうか?マイナンバーカードを全員に持たせようとするから余計な事務処理があちこちで発生するような気がしてなりません。